ラーメン店を開業するために必要な資金にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、資金額や開業資金の内訳などについて詳しくまとめています。しっかりチェックし、開店に必要な資金額を理解しましょう。
ラーメン屋を開業する際にかかる平均資金額は、平均して1,000万円~1,400万円ほど必要だと言われています。もちろん場所・広さによって変わりますが、都内でそれなりに良い立地で、広さは12~20坪と仮定した場合です。
もう少し資金を抑えたい場合は、場所と広さを変える必要があります。開業する際、立地は非常に重要なポイント。交通量や人通りがあって、気軽に立ち寄れるような場所に開店しないことには、集客を望むのは難しいかもしれません。
店舗の広さも考えなければならないポイントです。カウンターだけにするか、カウンターとテーブルを設置するか。または、さらに大きく席を確保するかにもよるでしょう。
もっとも安く抑えられるのは、カウンターだけの店舗です。10坪未満でも開業可能ですが、入れる客数が少なくなってしまいます。そのため、せっかく繁盛しても、断らざるを得なくなってしまうかもしれません。ある程度先を見越して開業する場合は、思いきって30坪以上の店舗にするのがよいと言われています。フランチャイズの加盟店はすでに知名度が高いため、オープン当初から集客数が期待できるからです。ある程度の客数が入れる広さの方が、売上も伸ばせるでしょう。
広くなる分、開業にかかる資金も高額になりますが、どのような店舗にしていきたいのかを基準として考えてみるとよいかもしれません。
事業に必要な資金は、融資を受ける前提で「設備資金」と「運転資金」に分けられます。設備資金は、初期費用の中で固定資産と呼ばれるもの。建物や土地の費用、また店舗の敷金や内装工事費、厨房機器や製麺設備などを設置する費用となります。
一方、運転資金は、設備資金以外にかかる費用のことです。家賃や人件費、仕入れにかかる代金やその他の経費を指します。
家賃を10万円と仮定すると、その6ヶ月分、つまり60万円が必要な金額となります。住宅の場合は2、3ヶ月ほどのケースが多いですが、店舗の場合は平均で半年分。家賃の額が多ければ、その分用意しなくてはいけない保証金も多くなります。
厨房機器は、新品ですべて揃えるとかなりの額になります。製麺設備も同様で、より本格的な製麺設備を導入する場合、安くても300万円ほどかかるケースが多いでしょう。厨房機器と製麺設備、両方を購入した場合は、相場が400~500万円です。
開業するには、店舗の内装や外装にもお金がかかります。また、電気やガス、水道を使うための設備工事も必要です。設備工事は、40~50万円が都内の平均値。ただし、元々の店舗をそのまま使用する「居抜き物件」の場合は、内装や外装、設備工事が必要ない場合もあります。
1ヶ月ほどの礼金が必要である場合が多いため、家賃10万円であれば、そのまま10万円が必要です。ただし、交渉次第で礼金は不要となる可能性もあるので、一度交渉してみるのもよいでしょう。
不動産を紹介してくれた業者への手数料を指します。1ヶ月が相場価格となっているので、こちらも家賃10万円なら10万円が手数料です。ただし、手数料も交渉次第で安くなる可能性があるので交渉してみましょう。
家賃は基本的に前払いとなるため、10万円分を事前に払わなければいけません。 礼金・仲介手数料・家賃。これら3つの費用は、初月のみ発生する費用です。
以上が、毎月かかる費用です。最初のうちは人件費や原材料費は抑えられるかもしれませんが、水道光熱費とガス代は仕込みの時間が長いと高額になりがちです。毎月かかる費用も、ある程度余裕をもって考えておきましょう。
自分だけの力で開業する際には、貯金が必要です。もし借入をする場合でも、自己資金がまったくない状態での開業は不安が伴います。もし何かトラブルがあった際、ある程度余裕をもった額がないと、開業どころではありません。設備資金分と運転資金、できれば3分の1以上は自己資金を用意しておきましょう。
知り合いから借り入れをするのも有効な方法。身近な人であれば、安い金利、もしくは金利なしで貸してくれる可能性も高いでしょう。しかし、親しき仲にも礼儀ありというように、身近な人だからこそ、しっかりと毎月返済しなければいけません。返済計画を立て、期日に遅れることなく返していくことが大切です。
金融機関から借り入れをする方法です。国が政策的に支援を行ってくれるため、借りやすい方法と言えるでしょう。また、無担保無保証も一定期間までは可能です。借り入れる場合、もちろん開業計画は必須。開業が本気であること、開業してからの計画をきちんと立てていることは大前提です。もし不備があると、日本政策金融公庫で借り入れはできません。しっかり計画を立てておきましょう。
開業計画や事業計画がきちんと整えられていれば、日本政策金融公庫からの融資や地方自治体からの融資などは、一般的なローン会社などの融資と比較すると、開業資金の調達方法としてメリットがあります。しかし、それでも絶対に融資審査に受かる保証はなく、適切にポイントを押さえておくことが必要です。
融資審査を合理的に進めるポイントを解説します。
融資によって開業資金をまかなうとしても、自己資金が十分にある場合とない場合では、当然ながら事業安定性が変わってくるために融資審査における評価も変動します。
仮にローンで開業資金をまかなえたとしても、店舗の営業が安定するまでランニングコストを支払う余裕がなければ破綻リスクが高まるため、融資審査でもマイナス評価が付きやすくなります。
そのため自己資金を少しでも多く用意しておくことはとても重要です。
事業主がどのような経験やスキルを保有しているかは事業継続において大きなポイントです。そのため、未経験者がローンを申し込む場合と、十分な経験者がローンを申し込む場合では、必然的に後者が有利になるでしょう。
ラーメン店の営業について活用できる知識や経験、技術があれば当然それらをアピールし、直接的に関係のない経験やスキルでも、どのように活かすことでラーメン店経営を支えられるか合理的に説明することが大切です。
融資審査では開業計画書や事業計画書といったプランの内容についても厳しく審査されます。
開業計画書や事業計画書は、どのような流れでラーメン店の開業を目指すのか説明する手順書であると同時に、経営者としてどれだけ誠実かつ意欲的に事業へ取り組んでいるのか、姿勢や熱意を象徴するツールでもあります。
理想ばかりを並べるのでなく、きちんと根拠や理由を明示した上で、事業性の魅力についてアピールできる計画書を作成しましょう。
もしも融資の申請者が返済困難な状況に陥っても、保証人がいて適切に返済を行ってくれるとすれば、融資を行う側にとっても債権が焦げ付くリスクを抑えられます。
そのため融資を申し込む上で社会的・経済的に信用性のある保証人を用意できれば、融資審査を優位に進められるかもしれません。
融資審査の評価基準や融資条件の詳細については、それぞれの金融機関や団体によって異なります。そのため、同じ条件でも一方では融資が認められ、一方では審査に落ちるというケースは少なくありません。
融資を申請する場合は、単一の金融機関や融資会社へ申し込むのでなく、複数の融資会社へ申し込むことが大切です。
ラーメン屋を開業するためには、店舗となる物件の取得・内装工事・厨房設備費用などが必要となります。さらに経営する上では運用資金も必要不可欠です。このページでは、開業にかかる初期費用を抑えるためのポイントを紹介します。
初期費用を抑えたいのであれば、居抜き物件を利用するのも一つの方法です。居抜き物件とは設備や内装をそのまま残した物件のこと。新規の物件よりも必要な設備が整っているため改装費・設備費を抑えることができます。また工事期間も短縮でき、早期開業が行いやすい点がメリットです。
ただ物件によっては造作譲渡料が発生するケースもあるので注意が必要です。またラーメン店の場合、油脂を下水管に直接流さないためのグリストラップという装置が欠かせません。そういった装置があるかどうかも確認しておきましょう。
ラーメン店を開業するためには、上記のような設備が必要です。もちろん居抜き物件なら備わっている設備もありますが、どうしても自身で導入せざるを得ないなら新品ではなく中古品で揃えたほうが費用は抑えられます。
リサイクルショップ・ネットオークション・中古専門店などで中古品を入手できます。中古品でも新品のような厨房設備も見つかるかもしれません。
メニュー数を限定すると食材費用を抑えられ、必要な設備・機器も限定されます。また廃棄食材も減るため、大幅なコストダウンにつながるでしょう。徹底的にメニューを限定することで他店との差別化も図ることができ、こだわりの強いラーメン店としてアピールしやすくなります。
自家製麺ではなく、仕入れ麺にすれば開業資金は抑えられるでしょう。もちろん自家製麺であれば原材料からこだわることができますが、人件費・設備投資・メンテナンスなどの費用も発生します。仕入れ麺であれば手間もかからず、人件費が削減可能です。どうしても麺にこだわりたいなら、複数の麺を組み合わせる・メーカーとオリジナル麺の開発を行うなどの方法を検討してください。
一人でラーメン店を開業すれば時間だけでなく、開業に関する知識も必要です。労力・コストもかかってきます。もちろん自由に好きなお店が開業できる点はメリットです。しかし、慣れていない方にとっては身体的・精神的にもストレスがかかるでしょう。フランチャイズであれば初期費用が抑えられるだけでなく、経営ノウハウを指導してもらえる・チェーン店の知名度が利用できる点がメリットです。もちろんフランチャイズ本部の運営方針に従う必要があることをはじめとするデメリットもあります。慎重に検討してください。
【選定条件】
Googleで「ラーメン フランチャイズ」と検索しヒットした企業50社の公式HPを調査(2023年4月18日調査時点)。
全50社のうち店舗数の多い順で10社を調査し、ロイヤリティのない5社から、下記の条件で3社を選定しています。
・麺場 田所商店…5社のうち最もサポートの幅が広く、物件/立地サポート、開業前サポート、求人サポート、開業後サポートを行っている企業
・TAKEYOU…屋号、店舗デザインを自由に設定でき、提供する麵やスープの選択肢が5社のうち最も多い企業
・町田商店…研修期間が最短で5日間と、5社のうち最も短く、開業までの期間が短い企業