このページでは、ラーメン屋を開業するに当たって、絶対的に考えなければならない立地条件や立地環境といったテーマについて解説しています。ラーメン屋をオープンしてから後悔しないよう、事前にしっかりと好立地な条件や選び方を把握しておきましょう。
商圏調査とは、自社の店舗を中心として、どこまでの範囲であれば集客性を期待できるのか多角的に調査・分析することを指します。
単なる消費者の好みや競合他社の有無を調べるだけでなく、ラーメン店を開業したとして、どの辺りまでの範囲であればお店へ通ってくれると期待できるのか、周辺施設や店舗、交通アクセスなども考慮しながらシミュレーションしなければなりません。そのため、正確な商圏調査にはエリア特性に合わせたノウハウが求められます。
商圏調査によって店舗を中心にした消費者の居住エリアが定められたとして、今度はそこに暮らす人々の属性からどのような層をメインターゲットにするのか、自社の強みやオーナーとして目指すラーメン店の在り方なども考慮しつつ考えることが大切です。
例えば若者をターゲットにするのか、中高年をターゲットにするのか、男性メインの客層を期待するのか女性メインの層を期待するのか、あるいは高級志向のラーメンにするのか庶民的なラーメンにするのかなど、具体的なターゲット層が定まらなければ商品メニューを決定することもできません。
また、メインターゲットは立地環境や周辺の地域特性に合致していなければならず、例えば男性単身者が多いと想定されるエリアにおいて、女性向けのラーメンを提供するといったことは事業計画として合理的でないと判断できるでしょう。
他のラーメン店は競合他社であり、ラーメンの内容やターゲット層によっては客を奪い合うライバル店となります。
ラーメン激戦区と呼ばれるようなエリアでは、その区域そのものが宣伝効果を発揮してラーメン好きの消費者を集めてくれるものの、きちんとした差別化戦略や価格設定ができていなければライバルに客を奪われるだけで売上を伸ばしていくことはできません。
競合他社としてすでに存在しているラーメン店を調査して、どのような味や内容のラーメンがどの程度の価格で提供されているのか、メインターゲットとして訪れている客層はどのようなものかなど、様々な点からそれぞれの店舗の強みや弱点などを検討します。
立地環境や周辺エリアの状況によって、客層の違いや求められるラーメンへの内容なども変わってきます。ここでは立地環境ごとに見た特徴や顧客のニーズについて、基本的な内容をまとめていますので参考にしてください。
多くの人が集まる繁華街は、人の流れも速く、競合他社を含めて様々な店舗やサービス施設が存在しており、常連客として自店舗へ同じ客がいつも訪れてくれるといった環境を整えることが容易ではありません。
反面、繁華街では初めて訪れてくれる人も多く、その人々に気に入られればSNSなどで拡散されてさらに多くの人が客として来店してくれる可能性もあるでしょう。
その他、繁華街は地価が高く人気のエリアとなり、店舗の固定資産税や家賃が高くなり安いこともポイントです。そのため価格設定やラーメンの内容も相応にバランスを取らなければなりません。
オフィス街・ビジネス街では主として、周辺の事業ビルや商業施設に勤務している昼間の労働者がターゲット層となります。
そして、昼食を目的として訪れるビジネスパーソンの中には、限られた休憩時間や予算の中でやりくりしている人々も多く、オフィス街・ビジネス街で求められるラーメンには美味さや満足感は当然として、安さや速さといったコストパフォーマンス・タイムパフォーマンスについてのメリットも求められる点が重要です。
また、各事業所の営業時間が終われば労働者は帰宅してしまうため、基本的に夜間や深夜帯の売上は減少するといったこともポイントです。そのためランチタイムをコアタイムとして集中的な営業をプランニングしなければなりません。
大学や専門学校が近くにあるエリアは、学生が多く暮らす学生街として成立しているケースも多々あります。
学生街とラーメン店との相性は良いとされており、男女問わず多くの若者が中心となって賑わっているラーメン店も少なくありません。
一方、学生にはバイトや仕送りで十分な経済的余裕を持っている人から、厳しい生活を強いられている人もおり、価格設定や満足感のバランスを考えることも肝要となります。
また学生は気に入ったラーメンやアイテムをSNSなどで情報拡散してくれる人も多く、差別化戦略によってブランディングを強化することでプロモーション効果を促進できる場合もあるでしょう。
一般論として住宅街では落ち着いた店舗運営が求められ、また常連客を確保するためには地域に受け入れられ、その土地で暮らす人々との間にしっかりとした信頼関係を根付かせることが重要となります。
そのため、接客スタイルや店の雰囲気づくりについても奇をてらうのでなく、住民との関係を踏まえて誠実な態度や丁寧な対応で接していくことが重要となるでしょう。
また、住宅街には子供のいるファミリー世帯も多く暮らしており、大人向けのメニューやサービスだけでなく、子供や主婦でも楽しみやすいサービスなどを考えていくことで差別化戦略を促進できるかも知れません。
ロードサイドとは、国道や幹線道路など主要道路沿いにあるエリアを指します。ラーメン店はロードサイドでオープンされることも多く、遠方から来たドライバーがラーメン店の看板や店舗を見つけて来店するといったケースも少なくありません。
ロードサイドでラーメン店を経営する場合、メニューの内容などを考えることは大切ですが、それ以上にいかにドライバーや周辺の人々へ店舗をアピールして、足を止めてもらえるかといったプランニングが重要となります。
そのため、フランチャイズによって有名店の看板を掲げたり、目立つ看板を掲示したり、あるいは十分な駐車スペースを確保するといったアイデアもあるでしょう。
地域のマーケティング調査やニーズの分析などを完了して、具体的にどのエリアへ店舗を出店するのか決めた後は、改めて物件について考えます。
様々な条件やメリット・デメリットを多角的に考慮して出店エリアを決めたとしても、実際のその場でラーメン屋を運営するには条件にマッチした物件を見つけなければなりません。
ラーメン屋の物件を選ぶ際は、お店の広さや賃料の価格、駐車スペースとして確保できる面積、さらには周辺の環境など複数のポイントを総合的に検討します。また実際に現地を訪れて、顧客になったつもりで自分の目で見ることも大切です。
以下のページではさらにラーメン屋の物件選びのポイントを詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
ラーメン屋を経営していこうと思えば、最初の立地選びは極めて重要なポイントになります。
どれだけ美味しいラーメンを作ったとしても、そもそもラーメンを食べに来る人がいないエリアや交通アクセスが極めて悪いエリア、また有名かつ人気の競合他社が近隣に多数存在しているエリアなどであれば、満足に業績を伸ばしていくことも困難です。
ただし、ラーメン屋の立地選びには事前の調査が不可欠ですが、商圏調査など専門的なマーケティング調査にはノウハウが必要なことも事実です。そのため、ラーメン屋の経営において効率性や安心感を高めようとすれば、専門ノウハウを有して立地選びから物件選定までサポートしてくれるフランチャイズを利用するといった方法も効果的でしょう。
【選定条件】
Googleで「ラーメン フランチャイズ」と検索しヒットした企業50社の公式HPを調査(2023年4月18日調査時点)。
全50社のうち店舗数の多い順で10社を調査し、ロイヤリティのない5社から、下記の条件で3社を選定しています。
・麺場 田所商店…5社のうち最もサポートの幅が広く、物件/立地サポート、開業前サポート、求人サポート、開業後サポートを行っている企業
・TAKEYOU…屋号、店舗デザインを自由に設定でき、提供する麵やスープの選択肢が5社のうち最も多い企業
・町田商店…研修期間が最短で5日間と、5社のうち最も短く、開業までの期間が短い企業