のれん分けとは、例えば師匠となる人の店で修行した従業員が、独立して自分の店を開業する際に、師匠から屋号の使用を認められて同名のラーメン屋として開業するといった経営方法です。
のれん分けはラーメン屋に限らず様々な飲食店や製造業などにおいて伝統的な経営方法であり、のれん分けの起源をたどれば江戸時代にまで遡るといわれています。
のれん分けにも複数の種類がありますが、一般的にのれん分けのメリットには、独立開業を本店の店主や師匠から認められて許可されているという点があります。単に金銭を媒介にした契約によって結ばれている間柄でなく、きちんとした実力や店舗間の関係性を前提として結ばれるものであり、加盟店の手数料についても無料か格安であることが大半です。
のれん分けのデメリットは、そもそも本店や師匠の店で従業員や弟子として従事しなければのれん分けをしてもらえないという点でしょう。また、フランチャイズのように契約にもとづいて本部からのサポートを受けられるものでなく、本店との関係において敵対的な営業を行ったりサービス内容が競合したりするといったことも認められません。
フランチャイズは本部と契約によって加盟可能な経営スタイルであり、それまでラーメン業界や飲食店での勤務経験のない人であってもフランチャイズ本部が提供するマニュアルや研修によって速やかに開業を目指すことが可能です。そのため未経験者でも事業を始められる反面、本部へ加盟料やロイヤルティといった手数料を支払う必要があります。
のれん分けはあくまでも元の店舗の店主やオーナーから、同じ屋号を使って独立開業することを認められて成立するものであり、そもそも他人がいきなりのれん分けを申し出ても認められるものではありません。そのため、フランチャイズでなくのれん分けによる開業を目指す場合、どうしても元の店舗での修行期間や従業員として相応の勤務期間が必要となります。
また、のれん分けはフランチャイズほど明確な契約が結ばれないこともあり、ビジネスとして曖昧な状態になることも少なくありません。
【選定条件】
Googleで「ラーメン フランチャイズ」と検索しヒットした企業50社の公式HPを調査(2023年4月18日調査時点)。
全50社のうち店舗数の多い順で10社を調査し、ロイヤリティのない5社から、下記の条件で3社を選定しています。
・麺場 田所商店…5社のうち最もサポートの幅が広く、物件/立地サポート、開業前サポート、求人サポート、開業後サポートを行っている企業
・TAKEYOU…屋号、店舗デザインを自由に設定でき、提供する麵やスープの選択肢が5社のうち最も多い企業
・町田商店…研修期間が最短で5日間と、5社のうち最も短く、開業までの期間が短い企業