ラーメン店が成功するか否かは、FC本部選びにかかっているといっても過言ではありません。ここでは、ラーメン店の開業で気をつけておきたい失敗する理由とラーメンのFC(フランチャイズ)選びのポイントをお伝えします。
ラーメン屋のオーナーとして働くことは、未経験者が考えるよりもずっとハードな体力勝負です。実際、開店前にはスープなどの仕込みを行い、営業中はずっと立ったままラーメンを作り続け、閉店後は店の掃除などを行います。そのため、特に交代要員や従業員の少ない店では、1人にかかる負担が多くなります。
経営方法によってある程度の工夫は可能ですが、原則としてラーメン屋は肉体的な負担の大きなビジネスであり、体調管理や作業中のケガの予防などが非常に重要といえるでしょう。
テレビや雑誌で紹介されたり、ネットの口コミで噂が広がったりすれば、ある日突然にお客様が増えることもあります。お客様が増えたことで忙しくなることは、ラーメン屋にとって嬉しい悩みですが、それも対応可能な範囲を超えれば店舗運営が破綻してしまう要因になります。
とはいえ、アルバイト従業員は募集してすぐに集まるものでもありません。
そのため、普段から自分のキャパシティを把握した上で、思いがけない好景気にも浮かれない冷静さが大切です。
どれだけ一生懸命にラーメンを作り、それぞれのお客様へ誠実に対応していても、思いがけないところでトラブルになることはあります。また、従業員のミスによってお客様へ迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
そのような時、その場でクレームにならずとも、後にSNSや口コミサイトなどで不満を書かれて、それが悪い噂として炎上するリスクもあります。
日頃からクレーム対策やお客様への接し方について、きちんと意識共有をしておくことが必要です。
せっかくラーメン屋を開くのだから、どこよりも美味しい味を追求しようと、高級な食材や高品質な素材を仕入れて、原価の高いラーメンを作る人もいます。しかし、原価が高いからといってラーメンが売れるとは限らず、さらに原価が高くなれば価格も高くなり、一層にラーメンが売れないという悪循環におちいるかも知れません。
1杯のラーメンに対するこだわりは大切ですが、商売として客観的に計算することも不可欠です。
コストバランスなどを計算し、ラーメンの味も十分であっても、立地環境や同業他社の存在などにより、期待していたほどの集客を叶えられないこともあります。しかし、家賃や人件費といった、店舗の維持にかかる費用は常に発生するため、結果的に当初の収支計画やシミュレーションが破綻し、経営が火の車になることもあるでしょう。
売上げが軌道に乗るまで時間がかかることもあり、収益が少なくてもすぐに破綻しない余裕を持っておくことが大切です。
ここでは、数あるラーメンFCの中から、自分にあっているか、成長を力強く支援してくれるFCかどうかを見極めるためのチェックポイントを解説してみたいと思います。
加盟店は、本部からの指導を原則的に従わなければなりません。
ですから本部が掲げる経営理念や、ビジョンに賛同・共感できることが大前提です。またビジネスは永続性が重要ですから、
引きのある新ラーメンの開発や店舗開発、新業態開発に積極的であるかどうかも大事なポイントになります。
開業にあたってFCに加盟契約すると、
一般的には加盟金・保証金・立地調査費・研修費・什器・備品代・商品代・商標・マーク・ノウハウ使用料・宣伝企画料などが発生します。
加盟金・保証金の低いFCブランドを選択すると、初期費用をおさえることができます。
開業後は、運転資金(人件費、仕入代、水道・光熱費)やフランチャイズ本部へ支払うロイヤルティが必要となります。
ロイヤルティの金額については、フランチャイズ本部によって、
粗利分配方式・売上歩合方式・定額方式などいろいろなパターンがあります。
FC契約でラーメン店をオープンすると、FC本部のマニュアルやアドバイスに基づいて店舗を運営することになります。
知名度のある商標を利用したり、保証された味を提供できたりするというメリットがある一方、
提供するメニューや店舗の内装など、「オーナーの好きにできない」というデメリットも出てきてしまいます。
FCによりその自由度が異なりますので、要チェックです。
ラーメン店の開業、運営に必要な技術や経営者としての心構えなどを教育するため、ほとんどのFC本部には研修制度があります。
通常は、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)という形で、FC本部の直営店で実際の業務に携わりながら教育指導を受けます。
FCによって研修期間や内容は異なりますので、たとえば期間があまりに短すぎたり、
研修内容が不透明だったりする場合などは、きちんと問い合わせをして事前に確認するとよいでしょう。
【選定条件】
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